Z世代がお金を払って悩みを相談するのはカウンセラーではなく「占い師」という調査結果/「占いを信じてない」というお客様に対する接し方
今週の「占い業界」ニュース解説、「ひと月200人占うあさみさんの実占のコツ講座」をお届けします。
今週の「占い業界ニュース」
占いの国内市場規模は1兆円~2兆円とも言われており、現在も市場は拡大しています。
現在占い師として活動している私も、肌感覚でも占い市場にポテンシャルを感じる、経済規模が広がっていると感じることが多々あります。
今週は、Z世代がお金を払って悩みを相談するのはカウンセラーではなく「占い師」というLINEによる調査結果を報じた日経トレンドの記事と、記事を踏まえた私の占い師としての実感をご紹介します。
オンライン占いの需要は伸びている。LINEによると、LINEトーク占いの利用状況を20年4月と21年4月で比較すると、有料ユーザー数は53%増加 、売り上げは44%増加と右肩上がりに伸びている。特に10代と20代 の若年層の売り上げが顕著に伸びているという。
LINEが行ったアンケート調査によると、お金を払って誰かに悩みを相談する場合、最も多いのはカウンセラーではなく占い師だという。コロナ禍で不安を抱える人が増え、カウンセリング相手として占い師の需要が高まっている。
私は現在一日あたり15名程度のお客様を占っています(某大手占い会社に占い師の源氏名で所属しておりますが、今月もランキングに入れていただいています)。
その私の実感としても、確かに記事の通り若い方の相談は増えていると感じます。
そして、占いに来る方は自分が何を悩んでいるのかよくわからない状態でいる方が結構多いなとも感じます。
何に悩んでいるかわからないので、どこに相談に行けばいいかわからない。
その結果占いにまず聞いてみよう、そういう流れになっているのではないかと思います。
ひとつの例として、特に最近増えていると感じるケースをご紹介します。
たとえば、パートナーとのコミュニケーションの齟齬がおそらくパートナーの発達特性(ASDやADHD)に起因するのではないかと思えるご相談です。「パートナーが共感してくれない」、相談者が依頼してくるとき、自分の状態に対してたいていこのくらいの言葉しか持っていません。紐解いてみると、カサンドラ状態で抑うつ的になって連絡してくる方が多いと感じます。
そしてこれは占いではなく心理カウンセリングの領域になるのですが、相談者にその知識がないので、カウンセリング領域の知識にアクセスすることができない、というようなことが多発していると感じます。
私は精神保健福祉士でもあるので、占い師としての語り方は崩さずに心理カウンセリングの領域に本人が自然と興味を持つように誘導して鑑定を終えることに目的を切り替えるようにしていますが、相談の入り口として、ワンストップでオールラウンドを相談できる「占い」の可能性をとても感じる瞬間でもあります。そして占い師はいろんなことを知っておいた方がいいし、各ジャンルの相談のプロフェッショナルと連携を持った方がいいかもしれないと最近はよく思うようになりました。
10代や20代では、マッチングアプリに関連した「出会い」や「片思い」に関する相談が多い。コロナ禍もあり、若年層の間では、会ったことがない人とチャットすることから始まるマッチングアプリの利用が増えている。そこで「出会った相手の気持ちを知りたい」「相手に本気になっていいのか」「相手から連絡が途絶えた、どうすればいいのか」といった悩みが出てくる。対面で出会って会話するのと異なり、チャットでは相手の気持ちを察しにくいため、不安を感じて相談したくなるようだ。
このようなご相談は確かに日常的に受けます。
そしてこれは若い世代に限らず40代50代の相談者からも受ける相談ですね。「マッチングアプリ」興隆により、「人を見る目」に対してこれまでにない新たな視点(見極める基準)を身につける必要があるのですが「どうしたらその人が信じるに足る相手なのかを見抜けるのかわからない」という状態で迷子になっている人が増えていると感じます。
また、Z世代の方にくらべ、40代、50代の方は「最後の恋」などと自分から心の退路を断ちマッチングアプリに挑んでいくので、「その相手は信じるに値しない」という結果を受け入れにくく、不信の状況から受けるストレスをこじらせる傾向があると感じます。また、心のレジリエンスが低下傾向にある中高年にとって「失恋」は受け入れがたい心理的ショックをもたらすので、「あきらめる」という決断を取りにくくなります。
そのため、「(明らかに信頼に足らないと内心わかり切っている)相手をあきらめる」までの道のり、つまり、第三者から見ると「終わりのない悩み(=悩んでも意味がないこと)」がその人の中で始まることになり、その長い道のりを伴走することが占い師の本来の役割だったような気がします。
今回は、日経トレンドの記事を俎上に、自分の占い師としての実感を書いてみました。ご参考にしていただけましたら幸いです。
来週以降も、占い業界ニュースを少しずつご紹介していきますので、良かったらご参考にしてくださいね。
ひと月200人占うあさみさんがお伝えする実占のコツ
鑑定時「ここを気を付けるだけで劇的にあなたの占いが向上する」というコツを一週間にひとつお知らせしています。
第4回「占いを信じてない」というお客様に対する接し方
占いを始めてからすでに2000件近い鑑定を日々行っていますが(我ながらなぜ占い師になったのかよくわからないまま、状況として自分は占い師そのものになっています)、これまで4人ほど「占い信じてないんですよ」という方が来ました。
挑戦的ですよね、道場破りです。
そういう方が来てしまった時どうするか、これを考えてみました。
まだケースがそこまで集まっていないので、対処として正解かどうかはわかりませんが、私が大事にしているのはここです。
1 占いを信じて相談に来てくれるお客さんのために自分のコンディションを保っておく
お客さんはこの「信じてない」人の後にもきます。そしてほとんどのお客様は占いをある程度信じてきてくれています。信じている人にはできれば「お値段以上」「期待以上」のサービスの質を確保したい。
サービスの質確保には自分のメンタルを維持するのが大事になってきますので、メンタルのゲージをモニターしながら対応します。
2 自分のコンディションが低下しない程度に付き合う。
私の場合は「あー私も占い信じてないですよ、UFOとか見るし宇宙人もあったことあるんだけど、自分がなんで占い師やってるかよくわからないですしねえ」と、まず自己開示します。できるだけ突飛は話をぶち込んで虚を突いた方が、素直になってくれやすいです。
私が自己開示したときの反応を見ます。
「占いに頼りたい気持ちがあるけど、抵抗が強い」のか「完全におちょくりに来ている、当たり散らしに来ているのか」。
前者であればもう少し親身に相手をしますし、そのうえで「自分の本音の部分ではなんらかの必要を感じて占いに来ているなら、すっきりしてストレス解消してなんか気分良くなって帰りたいじゃないですか。それなら、信じてなくても占い師をのせたほうが、占い師としてもいいパフォーマンスしますよ。逆の立場になったらそうじゃないですか? 初めからいやな思いさせて、いい結果引き出すのは順番おかしいですよ」と、今後の占いをもっとコスパよく受けるコツみたいなのをアドバイスします。
後者の場合は「うーんごめんなさい、信じている人のために自分のメンタル護らないといけないので、申し訳ないけど、用事がないならもういいですか?」と正直に断っています。
占いしにもレビューがあります、「悪評書かれたらどうしよう」と短期的思考で愛想よくしてしまうと、長く不快を引きずることになってしまいます。
長い目で見て続けていくことが大事ですので、自分のメンタルをまず大切に、その範囲でできることを考えていく、そんな感じで今はやっています。
たまに来る挑戦者系の相談者さんへの対応に苦慮している占い師さんの参考になればと思い、情報提供させていただきました。
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