占い企業最王手「ザッパラス」研究/「また不倫の相談?」マンネリ感を打破するための考え方
今週の「占い業界」ニュース解説、「ひと月200人占うあさみさんの実占のコツ講座」をお届けします。
今週の「占い業界ニュース」
占いの国内市場規模は1兆円~2兆円とも言われており、現在も市場は拡大しています。
現在占い師として活動している私も、肌感覚でも占い市場にポテンシャルを感じる、経済規模が広がっていると感じることが多々あります。
今週は、占いに関する事業を数多く扱う業界最大手企業「ザッパラス」についてご紹介します。
占いをメインの業務として扱う企業で、日本の株式市場に上場している企業は私が確認する限り4社あります。その中でもザッパラスは最も早く株式上場し、現在時価総額では最大規模の企業と言って間違いありません。
ザッパラスの創業は2000年、2005年にマザーズ上場、その後2009年に東証一部に市場変更しています。
モバイルコンテンツ黎明期に占いコンテンツ市場を確立し、その後東証一部上場企業にまで成長。現在、国内のみならず米国でも最大規模の占いメディア「tarot.com」などを運営し、占いコンテンツ市場シェア世界No.1。また、エル・オンライン、エル・ガール、25ans(ヴァンサンカン)オンライン、SPUR.JP、Marisol ONLINEほか、女性雑誌、Webメディアを中心に占いコンテンツを提供中。
占いを事業テーマにしているとはいえ、その内容は多岐にわたっています。
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一般顧客向け占い提供事業 (電話占い、チャット占いなど)
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企業向け占いコンテンツ提供事業(雑誌の占い欄などのコンテンツ作成)
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占い師の芸能プロダクション運営事業(所属著名占い師として木下レオンほか)
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占い師養成学校運営事業
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占いフェスなどのイベント事業
ざっとこれだけの事業展開をしており、さらに昨年は吉本興業との共同出資による占い師プロダクション会社「Luck Out」を設立、同社によるTBS番組「占いメガネ」の製作を発表し話題となりました。
投資家目線でも、ザッパラスは注目の会社と言えます。
決算の概況については、妄想する決算に、非常にわかりやすくまとめられていますが、現在は企業として優良な経営状況と言えると思います。
直近2年間の業績推移を見た場合、前期は増収となっており、前期の増収率は26.47%となっています。また、営業利益も二期連続で増益傾向にあります。増収効果を利益に直結させ、安定成長を実現する背景には当企業の高い競争力の維持だけでなく、徹底したコスト管理もあることが予想されます。 加えて、ROEは上昇傾向にあり、資本効率が改善していることを示します。一般的には、PBRを中心としたバリュエーションの改善が期待されます。
創業者の玉置真理さんは非常にユニークな人生を歩まれていることがわかります。
玉置真理さんは東大在学中に「ダイヤルQ2」を立ち上げ「ダイヤルQ2四天王」の一人といわれた人物です。
聞けば、民営化したばかりNTTが通話課金以外の新規サービスをスタートする、それが情報料金課金回収サービス「ダイヤルQ2」でした。真田さんはすでに、現株式会社ザッパラス代表で、当時、東京大学の1年生だった玉置真理さんを社長にすることを決めていました。実際、広報的にも「美人東大生がベンチャー経営」という話題性は大当たり。また、「ダイヤルQ2」の初期解放枠100回線の多くを押さえるために、申し込み開始日に全国の大学生をネットワークして、NTTの指定支社で配られる用紙をすべて彼らに回収させるという奇策も。当時は、個人・法人問わず申し込みができ、その後の譲渡が可能でしたからね。そのおかげで、100回線のうちの約半分を押さえる寡占化に成功。そうやって、ダイヤルキューネットワークという会社がスタートしました。(加藤順彦氏インタビューより)
ダイヤルQ2事業は順調でしたが、その後突然のNTTからのルール変更にて資金繰りが悪化し、事業から撤退を余儀なくされます。玉置さんも多額の借金を背負ったと言われています。
ここから復活し、ザッパラスを上場にまで導いた玉置社長は、かつてファッション誌のインタビューに答えて占いについて語っています。
非常に独自の占い観をお持ちになっていて、すごく面白いインタビューなので良かったら全文読むことをお勧めします。占いの「活用」方法として示唆に富んでいます。
占いはスタートにしてください。ゴールにしないほうがいいです。占いによって「この先生が言うことは絶対正しい」「占いの言う通りにする」「占いにすべての真実がある」と視野を狭くしてしまうことは、やめておいたほうがいいと思います。私自身「占いは信じるな。ただ、うまく利用しなさい。うまく活用できれば、こんなに便利なものはない」と言っています(笑)。
占いに来る方はたいてい「結局、自分はどうしたいか」という願望が整理されていないんです。たとえば「結婚したいけどどうしたらいいですか」と占いに来た方に結婚をしたい理由を聞いていくと「みんなしてるから」「もう29歳だから」「親がうるさいから」「結婚くらいしとかなきゃと思った」とか、そこに自分の願望が実はひとつもなくて、ふわーっとしていることがある。占いは自分でも見れますし運勢を知るくらいならできるんですけど、こういった「私は何をしたいのか」を見つけたいときは、占い師さんのコミュニケーションの中で見つけてもらうとおすすめです。
占い師として活動している私としても全く同感です。
来週以降も、占い業界ニュースを少しずつご紹介していきますので、良かったらご参考にしてくださいね。
ひと月200人占うあさみさんがお伝えする実占のコツ
鑑定時「ここを気を付けるだけで劇的にあなたの占いが向上する」というコツを一週間にひとつお知らせしています。
第3回「また不倫の相談?」というマンネリ感を打破するための考え方
ここでは不倫の是非についてはいったん置いておいて、不倫の相談をどう取り扱うか(ビジネスにするか)について語っていきますので、不倫について読むとつらくなる方は、ここで読むのをやめることをお勧めいたします。
占いをしていてダントツに多い相談、それは「不倫」です。
「不倫相談を制する者は、占いを制する」と言っても過言ではありません。
現在私は月に200人ほどを仕事で占っていますが(10月度も某王手占いサービスにてランキング入りしております)、200人を週3日で占うと一日10人~15人のご相談者様の悩みを聞き続ける感じになります。
不倫の相談は本当に多いです。「今日の相談、全部不倫だった!」と気が付いてびっくりすることもありました。
私は不倫そのものを「良い」とか「悪い」とか決める仕事をしているわけではないので、同じように「お客様」が「明るい気持ち」になり、しんどい気持ちで相談をしてきても鑑定の終了時には「感情のV字回復」を描いてくれることを目的にして占いをさせていただいています。
そのため、不倫相談のディテールについてぐったりすることは全くないのですが、それよりも、不倫に悩む方々の相談内容というのがほとんどワンパターンなので、途中から「飽きる」、そのことに悩んだことがありました。
不倫のご相談内容というのはほぼ以下の三つに分けられます。
「彼は奥さんとは終わってる(感情面だけでなくもちろんセックス面でも)と言っているけど本当か」
「彼は私と結婚したいと本当に思っているのか」
「私以外の別の女性と不倫していないか」
ダブル不倫も含め、不倫相談で占い師が受ける質問はこの3つに集約されていると言っても過言ではありません。
つまりご相談者さんは突き詰めて言えば、「お相手は相談者さんを一番愛してくれていて、将来を考えてくれている」、この言葉が聞きたいわけです。
質問の内容もパターン化されていて答えもパターン化されている相談なので、飽きる。
しかし、不倫の相談は最も多い相談ジャンルです。
ここで鑑定の質を落とすと、支持される占い師にはなれません。
ではどうしたらいいか。
いろいろ悩んでみたのですが、考えたのが「占い師=駅前のマッサージ屋さん説」です。
これを思いついたとき、私は不倫の相談に前のめりに取り組めるようになりました。
「占い師=駅前のマッサージ屋さん説」とはなにか。
①まず、「マッサージ屋さんは、肩こりのお客さんに対して、また肩こりかよ飽きた、とは言わない」ということ。
肩こりをラクにしてあげるのが駅前マッサージの仕事なら、不倫している人の気持ちを受け止めてあげるのが占い師の仕事なのだ、と意識を変えました。
②そして、「駅前のマッサージ屋さんには根本治療はできないと割り切る」。
駅前のマッサージ屋さんは10分クイックマッサージをしてくれますよね。
肩こりとか、背中の痛みとか、頭皮ほぐしとか、10分でできることは限られていますがピンポイントで施術してくれます。根本的な治療ができるわけではありませんが、お客さんも「とにかく今感じてる辛さを取りたい」という理由で利用しているので、それに応じて「今感じている辛さ」をまず取ってあげる。この役割に徹することが大事だと思いました。
お客さんの側も、「その場しのぎの辛さの解消」を続けているとさすがに自分で気が付く人が出てきます。「ずっとつらさが抜けないな」「どうも、クイックマッサージでは解消できないことなんだな」「もっとちゃんと辛さの根本に向き合おう」と。
そして、お客さん本人が自発的に病院で検査を受けたり、ハリ治療などの東洋的治療を試したりして痛みの根本に向き合っていく、、、これが理想ですよね。
それには「入り口」の我々がしっかり役割を果たす必要があります。
「その場の解決」をしたい人には「その場の解決」を提供することに全力を挙げることが大事だと感じたのです。
私という占い師ができること(その場で感情のV字回復をしてあげる)をしてあげる。
不倫の相談もご本人が10回ぐらいしてくるとさすがに悩むことに飽きてきます(現状、最大リピーターさんが半年間のお客様で相談回数が40回を超えていてもちろん悩みを継続している方もいます。それでも平均10回ぐらい人に悩みを吐き出してその場しのぎ的な解決で苦しみを紛らわしていくと、お客さんの方も悩むことに飽きるんです)。
不倫の苦しさを抱えている相談者が、「不倫をやめられない理由」の根本に気が付いていき、心の問題に気が付いていく(不倫している女性は総じて自己肯定感がとても低いです)。
その時に「私ってなんでこうなんですかね?」という言葉が出てきたら、それはその人が次の段階に進む合図になってきます。そこでは私の別の側面(精神保健福祉士として、メンタルヘルスの知識提供)を用いることもします。
それによってお客さんは自発的にカウンセリングにつながるとか、不倫をやめ新たな出会いを探すとか、悩みの解消に向けて自分の力で立ち上がることにつながっていきます。
占い師として、同じ人に10回以上「彼は私を愛していますか?」と聞かれてみると面白いことがわかってきます。
ただ「愛してますよ」と結論だけ伝えるのでは相談者は納得しないのです。
「なぜ、どのように」この説明がないと納得しない。そして、毎回同じ「なぜ、どのように」の説明をしても納得しない。
ここに、占い師としての「技芸」があると私は考えます。
毎回毎回大喜利しているような感じになります。頭使います。
毎回納得してもらう、その時感じている「辛さ」を一時紛らわしてもらう、そこに徹する。
そのことで相談者さんが自発的に問題に気が付き先に進むまで寄り添う。
そのように占いの業務を見直したときに、私にとって占いというのは奥深く面白い「芸」だなと感じたのです。
私と同じように不倫の相談に飽き飽きしたことがある占い師さんのご参考になればと思い、情報提供させていただきました。よかったらご参考にしてくださいね。
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